映画『言の葉の庭』を観た感想とあらすじ/短歌の意味は?【ネタバレなし&ネタバレあり】

スポンサーリンク
映画レビュー

スポンサーリンク

すでに観ている方向け

作品情報

あらすじ

靴職人を目指す高校生のタカオは、雨の日の1限は決まって授業をサボり、日本庭園で靴のデザインを考えていた。

ある日、タカオはいつものように庭園の東屋に向かうと、そこでビールを飲んで仕事をサボっていたユキノに出会う。

どこかで会ったかと思いタカオが尋ねると、ユキノは「会ったこと、あるかもしれない」と答え、
「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
と、万葉集の短歌を言い残して去っていった。

それ以降、雨の日の午前は庭園で会う、という暗黙の了解が生まれ、2人の交流がはじまった。
タカオの夢の話や、ユキノの味覚障害の話など、様々な話をするようになった2人。
ユキノはタカオに靴づくりの本をプレゼントし、タカオはユキノのため靴を作ってプレゼントすることを約束した。

ところがその後、梅雨が明け、2人は逢う機会が減ってしまった。

そんな中、ある日タカオは自分の通う学校の廊下で、ユキノとすれ違う。
ユキノはタカオが通う高校の古文の教師で、生徒に嫌がらせをされて学校に行くことができなくなってしまっていたのだった。

そのことを知ったタカオは、嫌がらせをしていた3年生に会いに行き、食って掛かるが返り討ちにされてしまう。

その後のある晴れた日、庭園でタカオはユキノと出会う。
初めて会ったときにユキノが口にした歌の返し歌、
「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」
を口にした。

そこから急な土砂降りが降り、ずぶ濡れになった2人はユキノのマンションへ行く。
濡れた服を乾かしながら、タカオが作った料理を2人で食べながら、心の中で2人とも「今が一番幸せ」だと感じるのだった。

そしてユキノが好きだと思うと気持ちを伝えるタカオ。
しかし、ユキノは、自分は先生だと距離を取り、地元の四国に帰ることを告げる。
それを聞いたタカオは、悲しげに部屋を出て帰ってしまった。

ユキノは、今までのタカオの言葉を思い出し、部屋を出たタカオを追いかける。
雨の降りしきる非常階段で、嘘のないお互いの気持ちをぶつけ合うのだった。

時が経ち、四国でまた教師となったユキノからは、手紙が来るようになっていた。
タカオは、完成した靴を手に雪の積もる庭園を訪れ、2人で過ごした時間は「歩く練習」だったのだと思い返す。
そして、もっと遠くまで歩けるようになったら、ユキノのところまで会いに行こうと思うのだった。

感想

「雷神の」の短歌の意味

作中で最初にユキノが口にした短歌、
「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
と、後半でタカオが口にした短歌、
「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」
は、歌聖と呼ばれた飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂が詠んだ歌です。

前者は女性側の気持ちで、
「少し雷が鳴り、曇って雨でも降らないかしら。そうすればあなたを引き止められるのに」
という気持ちを表しています。
それに対して、後者は男性側による返し歌で、
「雷や雨が降らなくても、私はここに留まるよ。あなたがいてほしいのなら。」
という返事を表しています。

とても素敵な歌ですよね。

ユキノが最初に「雨も降らぬか 君を留めむ」を口にしたシーンでは雨が降っていて、タカオが「我は留らむ 妹し留めば」を口にしたシーンでは晴れていました。

歌の内容や心情とあわせて、雨が効果的に使われていて、緻密に設計されているのだなと感じました。

感動はギャップから生まれる

新宿という街は、無個性で灰色で、コンクリートジャングルという表現があっていると思います。
正直、景観としてはあまり好きではなかったです。
雨も、さきに書いたように、あまり好きなものではありませんでした。

しかし、この作品では、信じられないくらいに新宿が美しく描かれていて、雨粒も綺麗に光っていました。
このギャップに「うわー、きれいだなあ」と感動するんです。

タカオとユキノは、生徒と先生という関係です。
恋愛に発展するのなんて、世間的には禁断の恋と言われるようなものですよね。
そんなあまり穏やかとは言えない関係を持ち出してきておきながら、その結末は、2人の未来の可能性を感じさせるような、なんとも穏やかなものでした。
このギャップに「ああ、なんかよかったなあ」と感動するんです。

作り手が用意したギャップを埋めるのは、受け取り手の「感動」なんだなと思いました。

まとめ

以上、「言の葉の庭」のあらすじや感想でした。


雨や万葉集など、いくつかのテーマを本当にうまく掛け合わせていて、綺麗な世界観が描かれているなと感じました。

新作の「天気の子」はまだ観に行けていませんが、是非見に行きたいと思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました