映画『言の葉の庭』を観た感想とあらすじ/短歌の意味は?【ネタバレなし&ネタバレあり】

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映画レビュー

今回は、「言の葉の庭」について、作品情報や感想をご紹介します。

つい先日の、2019年7月19日、新海誠監督の映画最新作「天気の子」が公開されました。

前作「君の名は」が空前の大ヒットとなったこともあり、次作にあたる「天気の子」に注目が集まっているのは当然といえば当然なのですが、それと同時に過去の作品にも注目が集まっていますね。

「秒速5センチメートル」や「雲のむこう、約束の場所」など、「君の名は」が公開される少し前のタイミングで、ひと通りの過去作を観てきた私ですが、その中でも特にお気に入りなのが「言の葉の庭」なんです。

この作品、構成する要素が結構多いんですよね。
雨、万葉集、靴、惹かれ合う教師と生徒、日本庭園、挫折、などなど…。

ただ、ベクトルがバラバラでまとめあげるのが難しそうなこれらの要素たちが、綺麗なアニメーションの中で上手く調和してまとまっていて、「お見事!」という感じでした。

素晴らしい仕事だと思います。

しかもさらにすごいのが、長さが全編で46分とかなんですこの作品。
ストーリー含め、「よくこの短い時間の中でまとめあげたな」と感心させられる作品でした。

ということで今回、そんな「言の葉の庭」のあらすじや感想、魅力を書いていきます。

※この記事では、

  • 前半は、まだ観ていない方向けに「ネタバレなし」で
  • 後半は、すでに観ている方向けに「ネタバレあり」で
    作品情報と感想を書いていきます。
    すでに観ている方は、次のページに飛んでお読みください。
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まだ観ていない方向け

作品情報

2013年5月31日公開。「君の名は」で一躍有名になった新海誠監督の5作目の劇場用アニメーション映画である。
もともとは劇場公開する予定がなく、DVDや配信での公開を予定していた。
「愛(あい)よりも昔、孤悲(こい)のものがたり。」という、万葉集から引用したコピーがついており、同監督初の恋の物語となっている。

監督:
 新海誠
キャスト:
 秋月孝雄 - 入野自由
 雪野百香里 - 花澤香菜
 孝雄の母 - 平野文
 孝雄の兄 - 前田剛
 孝雄の兄の彼女 - 寺崎裕香
 松本 - 井上優
 佐藤 - 潘めぐみ
 相沢 - 小松未可子

あらすじ

靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は決まって学校をさぼり、公園の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。

ある日、タカオは、ひとり缶ビールを飲む謎めいた年上の女性・ユキノと出会う。

ふたりは約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、次第に心を通わせていく。

居場所を見失ってしまったというユキノに、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作りたいと願うタカオ。

六月の空のように物憂げに揺れ動く、互いの思いをよそに梅雨は明けようとしていた。

公式HPより

感想

雨の日がちょっと好きになれる作品

一般的に、雨って嫌われることが多いですよね。

私もこの映画を観るまでは、あまり好きじゃなかったかもしれないです。

傘を差すのは面倒だわ、それでも服は濡れるわ、靴には浸水してくるわ…。

でも、この作品の中で描かれる雨は、そんなネガティブなイメージを覆すだけの破壊力を持っていました。

綺麗に描かれている雨の一粒一粒だったり、
ただの気象現象ではなくて感情を表現する役割を持っていたり、
雨の日にだけ会うことができる、2人の期待感に感情移入してしまったり。

雨という小道具がすごくポジティブに効いていて、雨の日になると楽しむ気持ちを持つことができるようになりました。

美しく描かれる身近なロケーション

いわゆる「聖地」ですね。
映画やテレビドラマ、アニメなどでファンが「聖地巡礼」をするのはお約束ですが、言の葉の庭は(東京近郊の人にとっては)非常に身近な場所がロケーションになっているので、聖地巡礼も楽にすることができます。

一番のメインロケーションである、新宿にある「新宿御苑」をはじめとし、その付近にあるドコモタワーや、新宿駅のホームなど、ほとんどの舞台が新宿近辺にあります。

実際に見に行きやすく、私も(聖地巡礼のつもりでなかったですが)これらの場所を見たときに、「あ、言の葉の庭で出てたのココだな」と思いながら見たりしていました。

見比べてみると気づくのですが、創作物だから当然かもしれませんが、同じ場所でも作中の映像のほうが綺麗なんですよね(笑)

実物が悪い、というわけでは全くなくて、クリエイターの方がその景色を見て、作品のコンセプトと照らし合わせて噛み砕いて、再構築した景色なんだろうなと思うと、「なんて綺麗なものを作れるんだ!」と、創作物の良さを改めて実感できました。

主題歌「rain」を無限ループしたくなる笑

エンディングで流れる主題歌は、秦基博さんの「rain」という曲で、実は15年前の大江千里さんの曲をカバーしたものらしいです。

雨をテーマにした本作にぴったりの歌詞とメロディが切なく耳に残り、聞くだけで本作の世界観を思い出せるので、雨の日にはついつい無限ループして聞きたくなってしまいます。

こんな方におすすめ

新海誠監督が好き、アニメが好き、綺麗な映像が好き、短めの作品が好き、という方は見て損はないと思いますし、気にいるのではないかなと思います。

私が個人的に最もおすすめしたいのは、「雨の日が嫌いな方」。

この作品を観ると、もしかしたら雨の見方が少しだけ変わるかもしれなくて、なんならちょっと「雨の日、いいかも」とか感じられるようになる可能性があります。

雨がの日が苦手な方、嫌いな方は、新しい視点を与えてくれるかもしれないので是非トライしてみてほしいと思いました。

ここまでが、ネタバレなしでお伝えできる感想です。
次のページでは、ネタバレを含む感想をお伝えします。

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