映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観てきました。結論から言ってしまうと、非常に素晴らしい作品でした。
私が劇場で映画を観る頻度は年に数回(3~4回程度)で、同じ映画も劇場で複数回観るなんて、ありえないことでした。
ところが、この映画がそのありえないことを起こしてくれました。そのくらい、個人的には面白かったし観たいと思わせる作品だったということです。
ネタバレも含みますが、個人的に印象深かった場面など、感想を書いていきたいと思います。
あらすじ
ワンフレーズを耳にすれば思わず心が踊り出す名曲で、世界中を魅了する伝説のバンド<クイーン>。
そのリード・ヴォーカルにして、史上最高のエンターテイナーと讃えられたフレディ・マーキュリーの生き様を映し出すミュージック・エンターテイメントが誕生!
世間の常識を打ち破る革新的な音楽を次々と生み出し、スターダムを一気に駆け上がったフレディと仲間たち。
今なお語り継がれる劇的なパフォーマンスを披露した彼らの華やかな活躍の裏には、誰も知らないストーリーがあった……。
「これは伝記映画ではなく、硬い岩から掘り出されたような純粋なアートだ。家族や人間関係、希望に夢、悲嘆や失望、そして最後には勝利と達成感が、誰にでも共感できるような物語として描かれている」と語るのは、クイーンの現メンバーで、本作の音楽プロデューサーを務めるブライアン・メイ。
同じくメンバーのロジャー・テイラーも音楽プロデューサーを務め、劇中ではフレディ自身の歌声を使用した28もの不朽の名曲が鮮やかに甦る。
崩壊寸前だったバンドが挑む20世紀歳代の音楽イベント”ライブ・エイド”。
永遠に語り継がれるラスト21分のパフォーマンスに込められたフレディとメンバーの想いと秘められた真実が、観る者の魂を熱く震わせる――。
公式HPより
まず、映画冒頭の「20th Century Fox」のロゴがでる場面。このときに流れる、よく耳にするあのファンファーレ。あのファンファーレが、クイーン仕様のギター演奏で流れるのです。そこで、テンションが一気に上り、期待感が高まりました。
本編は、空港で若かりし頃のフレディ・マーキュリーが荷物を積み込む仕事をしているシーンから始まります。
いきなり罵声を浴びせられるシーンからはじまり、フレディが決して恵まれた出自では無いということが表現されていました。
その後、真面目に勉強しろという親の反対をよそに、クイーンの前身のバンドである「スマイル」のライブへ遊びに行きます。
そこで、バンドに入れてくれるよう、ギターのブライアン・メイと、ドラムのロジャー・テイラーに打診しますが、「その口じゃだめだ」と出っ歯を理由に断られます。日本人でこんな断り方をする人がいたら、即ケンカになりそうなものですが…。
ところがフレディは、「口の中がその分広いため、その分、音域も広い」とアピールし、歌ってみせるのです。
ただでは引き下がらず、ユーモラスにアピールをかましてみせる強さ。自分のコンプレックスを武器に変える強さ。決してコンプレックスを気にしていないわけではなく、気にしながらもそれと戦っているのだということが、言葉や振る舞いから伝わってくるようでした。
数々の名曲の「歌詞」を楽しめた
正式にバンドを結成したクイーンは、紆余曲折ありながらも、スターダムを駆け上がっていきます。その様子とともに、クイーンのさまざまな名曲が流れるのですが、私がこの作品に魅力を感じたポイントとして、この要素が大きいと感じています。
私は、これまでクイーンの曲は歌詞を意識して聴いたことがありませんでした。かれこれ十数年、クイーンを聴き続けていますが、純粋に「音」だけを楽しむような聴き方をしていまして、歌詞は、今回字幕を見て初めてしっかりと認識したのです。ひとつひとつの曲の歌詞が、クイーン、特にフレディ・マーキュリーの生き様と照らし合わせながら聴くことで、「そういうことだったのか!」という衝撃を与えてくれました。テレビに地位を奪われ、全盛期から退いたラジオに、「まだまだこれからだ」とメッセージを送る「Radio ga ga」は、一時前線を退いたクイーン自身を表現しているようだったり。ゲイであることを告白して、過去の自分を「殺した」と母にカミングアウトするかのような「Bohemian rhapsody」などなど。なんとなーく聴いていた曲の歌詞の意味の深さに感心させられ、ここからはさらに、よりストーリーに引き込まれていきました。
最後の、最高のライブシーン
そして、最後の21分間、ライブ・エイドのシーン。
ライブ・エイドとは、アフリカ難民救済のために行われた、20世紀最大のチャリティコンサートであり、クイーンも紆余曲折の末、このライブ・エイドに参加していました。
劇中のライブシーンは、実は当時のものを完コピして再現しているとのことで、確かに、「史上最高のパフォーマンス」と言われる本物のクイーンのパフォーマンスに負けず劣らずと思える、圧巻のパフォーマンスでした。また、ステージ上からのカットが非常に多かったため、まるでクイーンのメンバーの一員になったかのような錯覚を起こしてしまいました。このステージにいるような錯覚を引き起こすには、大きいスクリーンサイズと、爆音の音響が必要だと思います。私が複数回、劇場にこの作品を観に行った理由は、ここなんです。劇場で上映しているうちでないとこの錯覚は味わえないのではないかと思い。家でも大画面テレビやプロジェクターと、しっかりしたサウンドシステムがあれば再現可能かもしれませんね。
まとめ
ということで、感想をつらつらと書いてきましたが、この映画の魅力は、
・クイーンの名曲を、歌詞とともに、バックグラウンドをしっかりと感じながら聴くことができる
・映画というより、もはやライブに参加しているような感覚にしてくれる
というところなのではないかと思います。現時点ではまだ上映中ですし、DVDなんかも出ていませんが、出たらすぐにもう一度観ることは間違いないでしょう…!
そのくらい、心の底から楽しめる作品でした。
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