映画『マイレージ、マイライフ』を観た感想とあらすじ/Travelproのスーツケース片手に飛び回る、イケメンおじさんの物語【ネタバレなし&ネタバレあり】

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映画レビュー

今回は、「マイレージ、マイライフ」について、作品情報や感想をご紹介します。

私は飛行機に乗るのが大好きで、国内線も国際線もちょいちょい乗ることがあります。

何が好きかって言うと、まず「空港の雰囲気」が好きです。
空港は開放的で明るくて美しい空間で、そこにごった返す人たちは、それぞれ別の行き先と目的を持っている。そんなアンバランスでカオスな感じがなんとも言えず、魅力的に感じたりします。

機内も、自分に与えられるスペースは決して広いとは言えない、限られた空間しか与えられません。
が、その中に最大限の合理性と気遣いを持ち込んで、数時間〜十数時間のフライトを快適なものにしようという感じが好きだったりします。

そんな飛行機好きな私なので、邦題である「マイレージ、マイライフ」という言葉を見かけた瞬間、「自宅で空港気分に浸れるかもしれない…」という変な期待をしたことで、観てみようかなと思ったのです。

結果としては、期待以上の収穫があったと感じています。
釣り針を1つ垂らしたら、3匹くらい魚が釣れたような感覚です。

「飛行機好きだからグッときた」
「ミニマリストだからグッときた」(実は私、ミニマリストでもあります)
「テーマが面白くてグッときた」

この3つが釣れました。
今回はそんな「マイレージ、マイライフ」の感想を書いていこうと思います。

※この記事では、

  • 前半は、まだ観ていない方向けに「ネタバレなし」で
  • 後半は、すでに観ている方向けに「ネタバレあり」で
    作品情報と感想を書いていきます。
    すでに観ている方は、次のページに飛んでお読みください。
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まだ観ていない方向け

作品情報

2009年9月5日公開(日本での公開は2010年3月5日)。ウォルター・カーン原作の小説を映画化した作品。アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞の5部門でノミネートされるものの受賞はなかったが、他の映画賞では数多く受賞歴がある。

監督:
 ジェイソン・ライトマン
キャスト:
 ライアン・ビンガム - ジョージ・クルーニー
 ナタリー・キーナー - アナ・ケンドリック
 アレックス・ゴーラン - ヴェラ・ファーミガ
 クレイグ・グレゴリー - ジェイソン・ベイトマン
 カーラ・ビンガム - エイミー・モートン
 ジェリー・ビンガム - メラニー・リンスキー
 ジム・ミラー - ダニー・マクブライド
 スティーヴ - ザック・ガリフィアナキス
 ボブ - J・K・シモンズ
 メイナード・フィンチ - サム・エリオット
 カレン・バーンズ - タマラ・ジョーンズ

あらすじ

企業のリストラ対象者に解雇を通告する“リストラ宣告人”の仕事で年間322日間も出張しているライアン・ビンガム。

自らの講演でも謳っている“バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない”をモットーに人間関係も仕事もあっさりと淡泊にこなし、結婚願望も持たず家族とも距離を置いたまま、ただマイレージを1000万マイル貯めることが目下の人生目標となっていた。

だがそんな彼も、2人の女性と出会ったことで人生の転機が訪れる。

ひとりは、ライアンと同様に出張で飛び回っているキャリアウーマンのアレックス。
同じ価値観を持つ彼女とはすぐに意気投合し、互いに割り切った関係を楽しむことに。
もうひとりは、将来を有望視され入社してきた典型的現代っ子の新人ナタリー。
彼女は、ネット上で解雇通告を行い出張を廃止する、というライアンの立場を脅かす合理化案を提案、さらには彼女の教育係に当てられてしまう。

しかしライアンは、そんな彼女たちと接していくうち、これまでないがしろにしていた人との“つながり”の大切さに気付かされていく…。

allcinemaより引用

感想

ミニマリストでトンガったライアンがかっこいい!

本作の主人公のライアン・ビンガムは、年間322日も出張をしており、「空港が自分の家」というほど家にいない&空港大好き人間です。
そんな生活を可能にするには、スーツケースに必要なものを全て収められるくらいでなければなりません。

ライアンは、自宅にはほとんどモノがなく、スーツケースだけで1年のほとんどを過ごすことができる「ミニマリスト」なんですね。

劇中に、ホテルでのパッキングから飛行機への搭乗までの、ライアンの移動時ルーティンが描かれているのですが、これがめちゃめちゃカッコいい。
厳選したのであろうTシャツやネクタイなどのアイテムを、手際よく次々とパッキングして、慣れた手付きでスーツケースを何かクルクル回しながら空港内を闊歩する。
この姿にやられた人は多いんじゃないでしょうか。
私も完全にやられてしまいました(笑)

一方の自宅には、本当にモノがほぼありませんし、劇中の発言の数々からもわかりますが、かなり極端な性格というか、こだわりのあるタイプの人間なのでしょう。
たまにクズとも思えてしまうくらいのトンガりっぷりがありますが、そんなクセのある人間を、カッコいいのど真ん中を行く俳優、ジョージ・クルーニーが演じてしまえば、もう魅力しかないわけです。

ちなみに、ライアンが劇中で使っているスーツケースのブランドは、「Travelpro(トラベルプロ)」というブランドです。
日本ではあまりメジャーではないですが、アメリカでは比較的よく見かける、そこまでお値段の高くないブランドです。
使用しているモデルは、「Travelpro Crew4」というモデルです。
(Crew5やCrew8ととも言われていますが、それらはポケットに縫い付けられているブランドロゴのタグ位置が異なるため、Crew4が間違いないと思います。)

飛行機好きにはたまらないシーンの数々

飛行機や空港がテーマの1つである本作には、当然それにまつわるシーンもたくさん登場します。

年間322日も出張するライアンが、新人の部下ナタリーと出張をする際に、無駄な持ち物について教えたり、保安検査場でどの列に並ぶべきかを見抜く方法を伝授したりしています。


さきほど書いた搭乗ルーティンを含め、真似したくなる要素が散りばめられていて、無性に飛行機に乗りたくなってしまいました(笑)

こんな方におすすめ

これまで書いたとおり、飛行機や空港が好きな方や、ミニマリストの方は、共感できたり、そそられるシーンが多いのではないかと思うので、楽しめる作品だと思います。

また、コメディタッチで描かれているもののと、テーマとしては実は深いものがあり、「自分の中で失われるはずのなかったものが、なくなってしまう」というのが本作では軸にあります。
失われるものというのは、ライアンの解雇宣告によって仕事が失われることであったり、ライアン自身の人生哲学が揺らぐことであったりするわけです。

自分の中で「確か」だったはずの何かが失われたり、揺らいだりしている方にはぴったりのテーマなのではないかと思います。

ここまでが、ネタバレなしでお伝えできる感想です。
次のページでは、ネタバレを含む感想をお伝えします。

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